「住宅ローン減税期間中に株での譲渡益があったら、確定申告をした方がいいの?」投資を始めた当初、私は税金のことなんてぜーんぜんわかりませんでした。ネットで調べるも、わからないことが多い…。そこで思い切って税理士さんのところへ行って勉強してきました。今回は、備忘録の意味も込めて、住宅ローン減税と株の譲渡益について話したいと思います。申告を迷っている方の参考になれば幸いです。
そもそも、住宅ローン減税制度って?
最初に、制度の概要を見ていきたいと思います。
住宅ローン減税制度概要
住宅ローン減税制度は、住宅を取得する際に住宅ローンを利用した取得者の負担を軽くするための制度です。 住宅ローン年末残高の1%が、所得税や住民税から控除されます。
※具体的な控除額等は下記の図を参考にして下さい。
我が家は、平成28年にマイホームを購入。
10年間、最大40万円の控除が受けられる…!
でも、ここで注意したいのは、「最大40万円」は、住宅ローン年末残高が4,000万円の場合ということ。 3,000万円では1%が30万円なので、上限は30万円です。
どのくらい制度の恩恵を受けられる?年収500万円の会社員の例
ここからは、実際に年収500万円・住宅ローン年末残高3,000万円の会社員を例に、どれくらい制度による恩恵を受けられるのか、見ていきたいと思います。
年収500万円(課税所得240万円)の会社員の場合、所得税はざっくりと14万円。この場合、控除額の上限の30万円に満たないので、14万円全額が年末調整時に還付されることになります。
ただ、30万円-14万円=▲16万円となり、満額の恩恵が受けられていません。
所得税から引ききれなかった16万円は全く控除されないの…?
ご安心下さい…!所得税から引ききれなかった分は住民税から控除されます。ただ、ここにも注意点があって、住民税から控除される金額にも上限があり、課税所得の7%(最大13.65万円)が上限となります。
ということは…
所得税からの控除14万円+住民税からの控除13.65万円(最大)=27.65万円
30万円満額の恩恵を受けるまで、まだ足りてはいないのです。
株の譲渡益分の税金も控除対象になる
そこで、思い出したいのが株の譲渡益から引かれている税金です。
特定口座(源泉徴収あり)で取引をして譲渡益が出ると、 所得税15.315%、 住民税5%が徴収されているかと思います。例えば、50万円の譲渡益では、所得税約7.6万円、住民税2.5万円が自動的に徴収されています。
特定口座(源泉徴収あり) の取引の場合、口座内で納税が全て完結しているため、確定申告をする必要がありません。ですが、住宅ローン減税期間中は、ここで徴収されている税金も対象になるため、税務署にあえて申告をすることで満額の30万円の恩恵を受けることができるようになるのです。
ちなみにこの申告は、「還付申告」といいます。「確定申告」は納税のための申告ですが、「還付申告」は納めすぎた税金を返して貰うための申告です。申告をすると~2か月後に徴収された税金から還付されます。
実際に申告をして、税金はいくら還付されたのか?(我が家の場合)
ざーっとお話ししましたが、我が家の場合は申告をしたらいくら還付されるのか?実際に調べてみました。確定申告書類作成コーナーで、源泉徴収票や年間取引報告書の内容を入力することで還付額を調べることができます。
10万円とは、インパクトが大きい…!
給与収入が低い程、申告による恩恵は大きい
ここまで年収500万円の会社員を例に挙げて説明しましたが、年収400万円(課税所得175万円)なら、所得税8.5万円+ 住民税13.65万円=22.15万円となるので、株の譲渡益を申告をするメリットがより大きくなります。
個人的には、ペアローンを組んで奥様が産休中で給与が減って一時的に年収200万円になった!でも株の譲渡益がある!という時には大きな効果が得られるんじゃないかな、と思います。
申告によるデメリットはあるのか?
“すごい!住宅ローン減税期間中の株の譲渡益の申告、お得だ…!”なんて舞い上がっていた我が家。懸念事項もありました。
実は…子供が保育園に通っている我が家。
申告をして我が家の所得が増えたら来年度の保育料が上がるんじゃ…?
申告はしない方がいいのかな…?
投資初心者の私の頭の中は大混乱。
その後、これについては「 所得税と住民税について別々の課税方式を選択する 」ことで保育料への影響を回避できることがわかりました。
この件については、別記事で詳しく書いていますので参考にして下さい。(別記事はコチラ)
結論、我が家の場合申告をした方がお得になった
申告をした方がお得になるのか?これに対する答えは、年収やローン額など世帯により異なるので一概に「はい」とは言えません。…が、株での譲渡益が出ている場合、検討をしてみる価値はあります。あくまでも我が家の場合、引ききれていない控除があったので申告をした方が良いという結果になりました。
10万円あれば、少しリッチな国内旅行も行けてしまいます。還付される、されないでは大きく違ってきますよね…!
確かに…
ちなみに株の取り引きをはじめた当初、我が家は還付金が発生するなんて全く知りませんでした…。2年目になって初めてお金が還付されるという事実を知り、慌てて申告をしに行きました。笑
知っていると知らないとでは税金面で大きな差が出てきますので、今一度過去の源泉徴収票と株での譲渡益を見返してみることをおすすめします。
※本記事はあくまでも個人的な体験をもとに作成しています。参考程度にお読みいただき、詳細は税務署や税理士さんにご相談下さい。また、文面中で用いた年収に対する課税所得は全世帯に共通するものではありません。(家庭によって異なります。)課税所得に対する所得税や住民税もわかりやすいようざっくりと計算しています。
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