「低リスクである」ということからIPO投資に力を入れている我が家。
そんな中、現在コロナウイルスの影響で急激に地合いが悪化中…!
こうなってくると、IPOでせっかく当選をしても、
公募割れするのでは…?
という不安を抱くことが多くなります。また、公募割れを恐れて抽選に応募しないことも多くなってきます。
いくら低リスクとはいえ、リスクを伴うIPO投資。
この不安を少しでも払しょくするために、過去約3年間で公募割れをした銘柄がその後1度でも公募価格を上回ることができたのか…?(要は、ホールドすることでの公募価格回収率はどのくらいなのか)調べてみました。
2017年~2019年の公募割れ銘柄
まず、2017年~2019年で公募割れ銘柄がいくつあったのか、どの証券会社が主幹事の時に公募割れをしたのか見ていきたいと思います。
各年ごとの公募割れ銘柄数(REIT銘柄を除く)
各年ごとの公募割れ銘柄数は、
- 2017年…8個/90個中
- 2018年…9個/90個中
- 2019年…9個/86個中
2017年~2019年の公募割れは、合計26銘柄ありました。上場は全部で266銘柄ですので、約10%が公募割れをしているということになります。
各証券会社ごとの公募割れ銘柄数
各証券会社が主幹事を務めた際の公募割れ数(共同主幹事を含む)は、
- 野村證券…9個/67個中
- 日興証券…7個/51個中
- 大和証券…7個/49個中
- みずほ証券…5個/50個中
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券…3個/15個中
- SBI証券…2個/26個中
- HS証券…1個/2個中
引き受ける主幹事数にもよりますが、公募割れ銘柄数が最も多いのは野村證券で9個、公募割れ率が最も高いのはHS証券で50%ということになりました。
公募割れ銘柄の初値とその後
次に、2017年~2019年の公募割れ銘柄のその後を見ていきます。
下記の表では、公募割れ銘柄の初値と、その後に公募価格を上回った日付、そして上回った日の高値をまとめています。
表をもとに、 公募割れから公募価格を上回るまでにどのくらいの期間を要したのか。A…当日中、B…1週間以内、C…3ヶ月以内、D…現在までの4点で見ていきたいと思います。
※上場当日から現在までに1度も公募価格を上回っていない銘柄はグレーで上場来高値を記載しています。
※また、現在の株価は公募価格を下回っている可能性があります。今回はあくまでも公募価格を1度でも超えたことがあるかどうかに重点を置いて見ています。
2017年の公募割れ銘柄の初値とその後
全8銘柄中、
- A…公募割れ後、上場日当日に公募価格を上回った銘柄…4個 ※赤字参照
- B…公募割れ後、1週間以内に公募価格を上回った銘柄…4個(A+0個)
- C…公募割れ後、3ヶ月以内に公募価格を上回った銘柄…8個 (B+4個)
- D…公募割れ後、現在までに公募価格を上回った銘柄…8個(C+0個)
2018年の公募割れ銘柄の初値とその後
全9銘柄中、
- A…公募割れ後、上場日当日に公募価格を上回った銘柄…4個 ※赤字参照
- B…公募割れ後、1週間以内に公募価格を上回った銘柄…4個(A+0個)
- C…公募割れ後、3ヶ月以内に公募価格を上回った銘柄…6個(B+2個)
- D…公募割れ後、現在までに公募価格を上回った銘柄…8個(C+2個)
2019年の公募割れ銘柄の初値とその後
全9銘柄中、
- A…公募割れ後、上場日当日に公募価格を上回った銘柄…5個 ※赤字参照
- B…公募割れ後、1週間以内に公募価格を上回った銘柄…6個(A+1個)
- C…公募割れ後、3ヶ月以内に公募価格を上回った銘柄…6個(B+0個)
- D…公募割れ後、現在までに公募価格を上回った銘柄…7個(C+1個)
公募割れ後に、公募価格を上回る確率は…
2017年~2019年のデータをもとにすると、全26銘柄中、
- A…公募割れ後、上場日当日に公募価格を上回った銘柄…13個
- B…公募割れ後、1週間以内に公募価格を上回った銘柄…14個(A+1個)
- C…公募割れ後、3ヶ月以内に公募価格を上回った銘柄…20個(B+6個)
- D…公募割れ後、現在までに公募価格を上回った銘柄…23個(C+3個)
26銘柄中13銘柄がその日のうちに公募価格まであがっている…!
そう、公募割れをしたとしても、 半数がその日のうちに公募価格を上回っています。これを高いとみるか低いとみるかは正直微妙なところですが、そもそも公募割れする確率が10%程(26/266個中 ※2017~2019年)で、当日に公募価格を回収できないのがそのうちの50%と考えると、IPOがいかに低リスクかがうかがえます。
さらに、
1週間ホールドなら54%、
3ヶ月ホールドなら77%、
現在までの約3年程ホールドなら88%、
の確率で、公募割れ銘柄が公募価格を上回っていました。
これを見ると長期で握っていられる人は強いですね…!
握っていられればね…
IPO投資は初値売りが鉄則と言われていますが、ちょっと先まで見てみると、以上のような結果になりました。地合いが悪いと公募割れを起こしたり、初値が低くなったりしがちですが、データを見つつ、初値で売るのか、ホールドするのか、冷静に判断したいと思います。
※ 本記事はあくまで参考に、 投資を行う際はご自身の責任で行ってください。
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